水曜日の放課後、気づくと机の前でぼーっとしていた。
正直、やることはある。
学年通信を書かないといけない。
授業の計画もまとめたい。
でも、手を動かす気力がない。
「やる気がない」とは少し違う。
正確には、「意思力」が底をついた状態だった。
意思力という「燃料」には、上限がある
心理学者のロイ・バウマイスターが提唱した「自我消耗(じがしょうもう)」という考え方がある。人間の意思力——つまり「〜しなければいけない」「〜をガマンする」という力——には、毎日使える量に上限があるというものだ。
朝から何十もの判断をして、トラブルが起これば対応して、授業で全力を出して——そりゃあ、夕方には気力も体力も消耗しているはずだ。
問題は、多くの人がこの「意思力の残量」を無視して仕事をしていること。
「やる気が出ないのは自分が弱いから」と思って自分を責めるが、それは違う。
意思力が切れているのは、消耗するほど働いた証拠でもある。
ただ、それが効率のいい働き方か、と言われればやはり少し違う。
自分も以前は「放課後に全部やり切ろう」と気合いで乗り切ろうとしていた。
今思えば、それは確実に失敗する方法だった。(というより消耗するやり方だった)
意思力が残っているうちに、重要な仕事を先にやる——これに気づいてから、仕事のリズムがかなり変わった。
「仕組み」に頼れば、意思力はいらない
では、どうすれば意思力が尽きても仕事が回るか。答えは単純で、「仕組みに頼る」ことだ。
① 重要な仕事を「午前中」に回す
できれば、決断を必要とする仕事は頭が澄んでいる午前中にやる。(空き時間にもよる)
行事の計画や指導案の作成など頭を使う仕事は、午前にやってしまうといい。
逆に、放課後は「気力が減っていてもできる仕事」にする。
たとえばノートチェックや丸つけは無心でできるので、午後に回すといいだろう。
② 「休憩のルール」を決めておく
「疲れたら休む」では遅い。
意思力が切れてから休憩を取るのは、ガス欠になってから給油するようなものだ。
「50分集中・10分休憩」など、ペースを仕組みとして決めておくといいだろう。
最近だと「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる活動と休憩の時間をしっかりとる方法もある。
③ 「考えなくていい仕事」をまとめてやる
提出物の確認・棚の整理——これらは頭を使わない。
疲れ切った夕方には、むしろこういう仕事が向いている。
意思力の残量に合わせて、仕事の種類を変えていくとよい。
意思力は「気合い」で増やせるものではない。
燃料と同じで、使えば減る。
補給の仕方と、使い切る前に切り上げる仕組みを作っておくことが先決だ。
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意志力は、決断力と言い換えてもいい。
有名なところだと、アップルの創業者・スティーブ・ジョブズは、決断の回数を減らすために、同じ服を着ることで、服を選ぶ手間すらなくしていた。
そこまでは無理でも、曜日で服装を決めておくくらいは凡人でも出来る。
そういった、ちょっとした工夫の積み重ねで、仕事の効率は上がる。
自分なりの工夫を、毎日の生活の中で見つけていこう。
・動機は物事を始めさせる。習慣が続けさせる。 ジム・ローン(作家・講演家)

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