学級通信 「話を聞く力」

3年生の6月頃に書いた通信(2010年)。

あることについて話をしたあとに、「これって何だったっけ?」と同じ質問をする人がいる。話をする側は「今話したばっかりだよ」と、がっかりする。
耳に音としては入っていても、内容が全く入っていないわけだ。これから進路に関することもたくさん話をするのに、これで大丈夫かなぁと心配になる。

授業にしても連絡の時間にしても、なるべく手短にたくさんのことを伝えたい。その中身をできるだけ多く受け取るために、大切になるのが「聞く力」だ。

30秒スピーチをやってみてわかるように、話すことはけっこう難しい。でも、実はそれよりも難しいのは「聞くこと」だ。
よくある話として「口が1つに対して耳は2つある。話すことを1としたら、聞くことに2の力を使いなさい」というものだったり、「『聴く』という言葉は、十、四、心、耳という字で作られている。これは十四の心で聴く(耳)ということです」というものだ。それくらいのつもりで話を聞かないと、相手が話そうとしていることは理解できないものだ。

授業をやっていて一番こわいと思っているのは、「聞く気をなくされること」だ。人は聞く気をなくした瞬間に、すべての情報をシャットダウン(閉め出し)してしまう。粘ればわかるかもしれないのに、しっかり聞いていればわかる内容もあるはずなのに、「もういいです」と自分の心の扉を閉めてしまう。それが授業がわからなくなる、苦手な教科ができる最初の原因になる。
(本音:教師側が授業をどれくらいおもしろくできているかにもよりますが…)

だからこそ、聞く側からすれば「人の話を聞けること」が弟一歩になる。でも、意外とそれが理解されていないし、それだけ難しい。「聞くことに一生懸命になること」に、あまり気にかけたことがないんじゃないかと思う。集中力もずっとは続かないから、「ここは!」という部分を見極める必要もある。でもまずは、「聞くこと」を意識したい。

短かい読書タイムや宿題をやる時間だって、やり方によっては大きな効果が上がる。本当に大事なのは「その瞬間に一番やるべきことを全力でやること」だ。単純だけど、これさえできればほとんどのことはうまくいく。逆に、そのポイントをはずせば効果も薄くなる。

話し上手は聞き上手、という言葉もある。3年生という大事な時期だからこそ、大事な情報を聞きもらさないように、「聞く力」を大事にしたい。

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