学級通信 「本物を知る」

1年生の3月に書いた通信(2009年)。自分の経験から伝えたいことを書いたもの。

先週の金曜日の夕方18:30から昨日(日曜日)の夜7:00まで、3日間にわたって「日本管楽合奏指揮者会議」と呼ばれる吹奏楽の講習会が、岡崎の市民会館で行われた。中部を中心とした、超有名な中学校・高校・社会人・プロが集まって、スーパーな演奏を市民会館で行った。野球でいえば、ドラゴンズの選手が中総に集まって練習会を3日間開いてくれたようなものだと思ってもらえればいい。

この3日間、なるべく参加をしようと思ってほとんど市民会館にいた。数々のすごい演奏を聴いていて「これが本物、一流、プロか!」と感動した。テレビやCDで聴くのとはレベルが違って、生で本物に触れることは臨場感がすごい。目で見て、耳で聴いて、雰囲気を感じて…それが大切だとよくわかった。

学習でも部活動でも、「本物を知っている」ことはすごく役に立つ。普段の部活の中で、友だちや上手な中学生のプレイを見ることはあるかもしれない。でも、それは手の届く範囲の話。

本物は圧倒的に違う。まさに理想の形だ。

「ここまで人間はできるのか」「こんなことが実際にやれるんだ」ということを知ることで、自分のレベルの上限が変わってくる。理想の形を知っているから、それに合わせていこうとする事ができるのだ。さらに理想の音がイメージにあるから、それを目指して練習することもできる。なんでもそうだけど、イメージはとても大事だ。

ブランド商品の偽物か本物かを鑑定する仕事にあるのだけれど、そういう人の話でも「本物をたくさん見ていると、たまに出てくる偽物は一目でわかるようになります。たくさんの本物に触れることで、本物を理解するんです」とテレビで言っていたのを覚えている。

吹奏楽を教える中で、自分は必ず「自分の目標になる人か音を探そう」と伝える。人間は目標がはっきりしていると、そこに向かって進みやすくなる。「ゴールはどこにあるかわからないよ」と言われるのと、「ゴールはあっちのほうにあるよ」と言われるのでは、目標がある場合はかかる時間も労力も相当短縮できるはずだ。

これから2年生になるにあたって、部活も本腰が入る。もし身近で、そういう本物やすごい人を見ることができるチャンスがあれば、ぜひ自分で動いて見に行ってほしい(プロの試合や演奏会などいいですね)。そういうチャンスを生かす事ができるのも、その人の強さになるはずだ。

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