学級経営のコツ ~生徒視点を忘れない~

学級経営

いまだに悪い例え話の代表例「月曜集会の校長先生の話」。
誰もが長くて嫌になった経験をしてきているはずなのに、
それを忘れて目の前の生徒に同じことをしてしまう。
それは「生徒の視点」を忘れているせいではないでしょうか?

「教師の視点」+「生徒の視点」でものごとを見られるようにしたい!

「教師からの視点」だけで学級を見ていませんか?

自分の学級に、授業中にうるさい生徒がいた場合、どう感じるでしょうか。

「今は授業中だ、静かにしなさい。他の生徒の邪魔になるだろう。」

確かに教師、大人の視点で見ればそう見えてしまうと思います。

でももし、生徒の視点で見たら何が起こるか?少し想像してみるとこんな感じでしょうか。

・先生の話が長くてつまらない!

・授業の内容がわからなくて意味がわからない!

・先生は生徒の話を聞いてくれないから言っても伝わらない!

・なんか言ってるけどまあいいか!

・大事そうな話でもないし、友達と話してたほうがまだマシだ!

自分が生徒の立場だったとき、そんなに真剣に教師の話を聞いていたでしょうか。

授業中に騒ぐことはなくても、静かに頭の中で他のことを考えていたことでしょう。
(いや、そんなことはない、話を漏らさず聞いていた!という場合はごめんなさい。)

そして少なからず、教師側に問題もあるはずです。

「生徒の視点」で見れば、ほとんどのことが逆に見えるかも

目の前で起こっていることには、必ず原因があります。

それは生徒であっても同じことで、騒ぐには騒いているなりの理由があるはずです。
(いわゆる「荒れている」状態はちょっと違います。生徒指導的な観点が必要になります)

・教師の話がつまらない
 最初に書いたように、校長先生の話がつまらない代名詞になるように、
 まずもってあなたの話がつまらない可能性があります。
 単調に話している、抑揚がない、笑いどころがない、ポイントがまとまらずわかりづらいなど。
 内容は大切でも、伝え方がつまらなければ生徒に伝わりません。話し方に工夫をしましょう。

・授業が魅力的ではない
 少なくとも高校受験には授業が必要であることは生徒は理解しているはずです。
 教師が一方的に話して終わり、なんて授業ではいくら真面目でも集中は続けられません。
 考える場面がある、活動できる、動く時間がある、楽しめる時間があるなど。
 1時間にすべては詰め込めませんが、少なくとも授業で目玉になる視点を入れましょう。

・生徒の気持ちにたっていない
 ちょっとしたことでも生徒の立場で考えればわかるのに、気付かないことも多いです。
 例えば私はいわゆる「体操座り」の限界は20分と教えられました。お尻が痛いんですよね、あれ。
 同じ状態でずっと座らせたまま話している先生、けっこう身の回りにいませんか?
 これに限らず暑さ寒さの観点など、目の前の生徒がどう感じているかを感じながら接しましょう。

などが考えられます。

教師の話を聞くのが当たり前だという大人の偏った視点だけでは、必ず無理が出ます。

子供叱るな来た道だもの… ちょっと振り返れば、生徒の視点すでにもっているはず

「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」

これは詠み人不詳のフレーズのようですが、自分が好きな言葉です。

つい腹が立って子供、生徒を叱ってしまいますが、それなりの理由があっての行動です。

教師が少し視点を変えて、または言い方を変えて伝えれば解決することがほとんどです。

その多くは自分自身が小中高校で経験してきたことであり、これをされたら嫌だなぁ…ということは

身をもって体験してきています。

ということは、「生徒の視点」は誰もがすでにもっているはずなんです。

それを思い出して、目の前の生徒を見てみてあげてください。

きっと少し違った見方になるだろうし、違った声のかけ方になることでしょう。

大人になってから子供のように叱られて、やっと気づいた

特にマイナスの影響が大きいのが「叱る」「怒る」ことです。

異動3校目の校長が「瞬間湯沸かし器」で、よく教員を校長室に呼んで怒声を響かせていました。

自分も数回叱られて、大人ながらにそうとう凹みました。

というか大人だし「それはダメだ、こうしなさい」と冷静に言われれば分かるし、そうするよ…。

と心の中でつぶやきながら嵐が過ぎ去るのをまっていました。

嵐が終わって自分の机に戻ったとき、やっと気づきました。

「大人がこれだけ嫌なんだから、生徒も大声で叱られるのは絶対嫌だよね」

こう気づいてからは、生徒にも冷静に自分が言いたいことを伝えるように心がけるようにしました。

それで十分伝わったし、1回でダメなら何回も伝えていけばいいだけです。

叱れば早い、怒れば解決だという考え方は正直、教師としては2流・3流の考え方だと思います。

ちなみに「叱る」と「怒る」は違うという話はよく聞きますが、たぶんどっちも同じです。

それはやった本人の捉えではなくて、やられた側がどう捉えるかの問題です。

大声で怒鳴られたらそれはもう本人からすれば「怒られた」だけですよね。

まとめ 「教師の視点」+「生徒の視点」があるから伝えられること

気を付けたいのは、「生徒の視点」だけで考えてはいけないということです。

それでは学校という組織は成立しないし、楽なほうだけに流れていってしまいます。

逆に「教師の視点」だけでも、上に書いたように教師の独りよがりが生まれます。

大人だからこそできる「教師の視点」+「生徒の視点」が大切なのだと考えます。

学習で考えてみると、生徒の視点では「面倒くさい」「大変」とみるでしょう。

教師の視点では「将来必要になる」「入試がある」とみるでしょう。

2つの視点を取り入れて考えれば、
「学習は大変で面倒くさいけど、入試を考えると必要なものだ。生徒本人のがんばりも大切だが、
 それをサポートするのも教師の役目。どうすればわかりやすく教えられるだろう。」

という考えが生まれるのではないでしょうか。

授業もそうですが、学級経営でもこの視点は生徒の信頼を得る大きな考え方になるはずです。

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