学級経営のコツ ~生徒のつながりを観察する~

学級経営

いわゆる「マンウォッチング」をすることで、生徒の関係性を見る。
教室でどんな人間関係が築かれているかを見るのは、そう難しくありません。
放課の時間に、誰と誰がいっしょにいるのかを眺めてみましょう。
1週間に1回でもいいから眺めていると、
意外なところで生徒がつながっているのがわかって面白いですよ。

観察は警戒されていない時を狙う…放課に注目!

放課の時間に生徒の人間模様は表れる

忙しい教師にとって、放課は授業間の移動で手一杯。

でも、ほんの1分立ち止まって教室を見渡すと、見えてくるものが人間関係です。

放課は仲のいい子同士が集まる瞬間なので、どのグループに誰が所属しているのかが
一目で分かります。

A君はいつも4人グループで話している。

Bさんはあっちに行ったり、こっちに行ったり。どこにでも所属できる。

C君はあまり群れたがらないが、別にグループでも行動できる。

Dさんはどっちつかずで、いまいちどのグループにも入りきれていない。

こんな感じで、おおまかなグループをつかむことができます。

もちろん、日によってグループが変わることがあります。

週1くらいで思い出したときに確認をしておくと、いろいろなパターンを見ることができます。

繰り返すうちに、自然と生徒の行動パターンを把握できるようになるでしょう。

人間関係に変化が起きると、一緒にいる生徒が変わる

で、これをすると何かいいことがあるの?と思うことでしょう。

例えばさきほどのA君でいえば、いつも4人組でいたはずなのに、いつのまにか3人組に減っている。

あれ、残りの1人はどこいった?

と、人間関係の変化にいち早く気づくことができます。

これを繰り返してみていったときに、たまたま1回3人だっただけで、

次にまた4人組に戻っているのならたいしたことはありません。

これが、気付いて以降一度も4人組に戻らない&残りの1人は教室にいない。

クラスの生徒と話すようになった…だと、この1人は教室に居づらくなっている可能性があります。

こんなときは、そのグループ割れした生徒に「何かあった?」と声をかけることで、

生徒指導的にも話が大きくなる前に火消しすることができるようになります。

もちろんプラスの変化も捉えられる

マイナスの変化はもちろん、プラスの変化も捉えることが可能です。

さきほどのDさんはどちらかというと孤立タイプでしたが、

体育大会・文化祭を終えてみてみると、仲良く話ができる生徒が増えている。

または、大人しいタイプの子が元気なグループにいつのまにか所属していて、

雰囲気が明るくなって積極的になってきた…ということも分かることがあります。

こちらは注意をする必要はありませんが、理由として知っておくとよいですよね。

また、何かあるときにはBさんのようにいろいろなところに顔が利く子を把握していれば、

違うグループをくっつけたいときにBさんにお願いすればいいことになります。

様子をメモしておくと、保護者会でも使える最高の資料になる

そして、この情報は保護者会のときに威力を発揮します。

今まで自分がやってきた保護者会で、多くの保護者に言われたのが

「このクラスの中で、ウチの子はどんな感じですか?」

というセリフです。それは親としては、学習よりも気になることかもしれません。

そんなとき、教師が人間関係をしっかりと把握していて、

「よくEさん、Fさんといっしょに話していますよ。」

「でもSさん、Rさんとも話すことがあって、交友関係は広いようですね」

と具体的な名前をあげて話をしてもらえれば、保護者も安心できると思います。

その流れで言われるのは、次のようなものです。

「ああ、その子の名前はよく聞きます。」

「その子の名前は知らないので、小学校が違う子とも仲良くなったんですね。」

具体的な名前、具体的な姿、具体的な行動をつかんでおくことで、

保護者の信頼感がぐっと上がること間違いないでしょう。

ただ、人間すぐに忘れてしまうので、気になった点はメモしておくことをオススメします。

まとめ 派手なことをしなくても学級経営はできる

教師の仕事を難しくしている一端は、「見えない部分が多いから」だと思います。

よく「生徒の出すサインを見逃さないように…」的なことを言われますが、

それがどれだけ難しいことか分かって言っているのか?と思ってしまいます。

口では「大丈夫です」と言っていても、全然大丈夫じゃないことが多々あるからです。

でもこの方法は、放課の時間の生徒が警戒を解いている瞬間であること、

仲のよい子と接するので素の自分が出やすいこともあり、判断がしやすい部分です。

派手なパフォーマンスもいいですが、こういう地味なやり方で学級を把握するのも

1つの手段だと思います。

補足 やりすぎると…

一度、この方法を使い始めたときに、1人の生徒に感づかれてしまいました。

そのときに生徒から言われた言葉は

「先生、私たちのこと監視しているの?」

でした。

もちろんそんなつもりはないので、

「そうじゃないよ、何かトラブルがあるといけないから、
 みんなの中に変化がないかな~と思って見ていただけだよ」

と話をしました。

それで納得したかは分かりませんが、特に問題はありませんでした。

あくまで、自然にウォッチングするとよいでしょう。

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