どんな人間にも逃げ道は必要だよという話
この考え方は、毛涯章平先生の言葉からきています。
2 規則や権威で、子どもを四方から塞いでしまうな。必ず一方を開けてやれ。
さもないと、子どもの心が窒息し、枯渇する。
毛涯章平著「肩車にのって」より 教師十戒
本をあまり読まない方でも、毛涯先生の十戒だけでいいので一度目を通したほうがよいです。
自分がその戒めの中で、やってしまっていることが1つは当てはまることでしょう。
(もし当てはまらないのなら、とても素晴らしいと思います)
これはいわゆる「できない子」に、ついやってしまいがちなことについて言及されています。
分かっていても、本気でできない人がいる
朝は遅刻してくる、宿題は出さない、授業は寝る、掃除はサボる…
こんな生徒は、いまや特にめずらしくもありません。
でも教師の目から見れば「なんてやつだ!」と映ります。
「なんでそんなに簡単に遅刻するんだ!」
「宿題なんてやるだけだろう!」
「授業はまじめに受けなさい!」
「みんなで使っている場所だ、きちんと掃除しなさい!」
とすべての場面で追い詰めてしまいます。
さらには、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いではありませんが、あらゆる場面で目につき始めます。
でも正直、これはできる人間の目から見た傲慢さです。
そんな簡単なことができないはずはない、という思い込みと言ってもよいでしょう。
差別的な視点ではなく、本気でできない場合もある、ということを知るべきです。
もちろんケースバイケースなので、そこを見極めるのも教師の力の見せどころにはなります。
その生徒、本当にそんなに悪いことしてますか?
まず冷静に考えてみてほしいのは、悪質なものでない限り、そんなに悪いことなのでしょうか?
遅刻をすることが本当にそんなに悪いことなのか?
宿題をやらないことが本当にそんなに悪いことなのか?
授業をまじめにうけないことがそんなに悪いことなのか?
掃除をやらないことがそんなに悪いことなのか?
それに、これらのことを全員が全員、完璧にこなせると、本気で思いますか?
「そんなの当たり前だろう!」と固定観念で考えるのではなく、
本当にそうなのかな?と自分で考えてみていただきたいのです。
(よければ自分の子供時代を振り返ってみてください。)
(宿題を毎日出しました?掃除サボりませんでしたか?授業や部活、いつも真剣でした?)
まとめ ~伝える必要なこともあるので、そのときは四方を塞がない
しかし、立場上言わなければいけないこともあるでしょう。
そのときには、毛涯先生の十戒を思い出してください。
あれもこれもと言っても、生徒の逃げ場はなくなります。
逃げ場をなくした人間は、何をしでかすかわからず、とても危険です。
(家出、暴力、万引き、その他犯罪…いろいろなパターンがあります)
そこは教師の裁量で、うまく逃げ道を作ってあげてほしいなと思います。
大人だって、逃げ道を塞がれるような言動をされたら、仕事したくなくなりますよね。
教師も人間、生徒も人間。その視点を忘れずにいきましょう。
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