学級経営のコツ ~小さなプラスの積み重ねで信頼を得て、小さなマイナスの積み重ねで信頼を失う~

学級経営

学級経営のポイントは、日々の「小さなプラスの積み重ね」にこそコツがあります。
逆に、日々の「小さなマイナスの積み重ね」で崩壊に向かうこともありえます。
何事も、千里の道は一歩から。

生徒に誠実に接しているか 1%の差が最後には決め手になる

イギリスのロードレースチームの快進撃 裏側の話

こんな話をしっているでしょうか。

イギリスの自転車競技は1908年に金メダルを1つ取って以降、まったく成果が上がりませんでした

イギリスのロードレースチームにデイブ・ブレイルスフォードという方が監督に就任します。

そこから、イギリスチームの大躍進が始まります。

北京オリンピックでロードレースとトラックレースの制覇、ロンドンオリンピックでは多くのイギリス人選手がオリンピック記録と世界記録を樹立。

同年、ブラッドリー・ウィギンスがイギリス人として、そしてイギリス人チームとして初めてツール・ド・フランスで優勝。チームは6年間で5回もイギリス人が優勝することになりました。

この監督がやったのは、どんな大改革だったのでしょうか? そうではないのです。

それは大改革ではなく、あらゆることを1%改善するという方法だったのです。

1つのことを大きく変えるには限界があるでしょう。

そうではなく、 ブレイルスフォード 監督は多くの視点で少しずつ改善を施しました。

以下、こんなことを行ったそうです。

・サドルを座りやすいように改良する。
・タイヤにアルコールを塗って滑りにくくする。
・選手に電熱入りのオーバーパンツを履かせて走行中の筋肉温度を快適に保つようにする。
・サイクリングスーツを空気抵抗の少ない室内向けのものにする。
・少しでも回復の早いマッサージジェルを見つける。
・風邪をひかないために医師に手の洗い方の指導を受ける。
・夜に熟睡できるように各選手の枕やマットレスを指定する。
・チームトラックの内装の壁を真っ白にしてわずかなチリも見つけられるようにする。

https://challe.info/entry/2020/12/02/080000 Hakuto-日記様より引用

これを学級に置き換えて考えてみると

大きな改善は難しくても、1%の改善を加えていくならなんとなくできそうな気がしませんか?

・教室に20秒早くついて準備を整える
・あいさつを元気よくする
・話すときは笑顔
・何かあったら「ありがとう」
・話を短く切り上げる
・小言も短く切り上げる
・授業の開始はチャイムで
・授業の終了もチャイムで

ほんのちょっとのプラス効果が重なれば、すさまじい効果を発揮します。

有名な話で、1.01と0.99の法則がありますが、1%の改善を100個加えるとどうなるか?
なんと37.8になります。

普通の状態を1とすれば、38倍近くの改善効率になります。

もちろん、人間のすることなのでそんなに単純な計算はできないでしょうが、
ちょっとした対応、生徒への振る舞い、授業への気配りなどあらゆる場面で改善はできます。
生徒からすれば、何も改善をしていない教師よりも頼りになる存在に映るはずです。

もちろんマイナスにも作用する そして崩壊へ

逆に0.99を100個集めると、これまたなんと、0.03になってしまうのです。

これももちろん、すべての面で気配りができる教師はいません。

プラスマイナスで増減しながら、それでもマイナスのほうが多かった場合はどうなるか…。
想像したくありませんが、その学級は少なくとも崩壊へ進んでいくはずです。例えば、

・いつも遅刻してくる
・その割に生徒の遅刻にはうるさい
・話が長い
・すぐ怒る
・連絡が他クラスとずれる
・むしろ連絡することを忘れる
・チャイム前から授業が始まる
・チャイムが鳴っても延長する

少なくとも自分が生徒の立場なら、こんな教師は尊敬に値しません。

表面上は波風たたないようにしていても、面従腹背の状態です。

何か指導をしたところで、何も入っていかないどころか反発をされる可能性すらあります。

自分の言動を少し振り返り、少しずつ良くできる点がないかどうか見てみてはどうでしょうか。

まとめ 教師の根っこが試される話

この話が通用するのは、「自分で気づくことのできる教師」のみです。

残念ながら、大人の中には他人の話に耳を貸さない方も大勢います。

「もしかしたら、こちらのほうがいいんじゃないかな」と意見をされて、

素直に「そうかもしれない。」と謙虚に聞くことができる人。

また、それを素直に試してみようと思える人。

1%の話は確かにコツではありますが、枝葉末節の技術とも言えます。

人に対して誠実か、優しくいるか。

そんな「人間力そのもの」が根本にあります。

いくつになったとしても、驕ることなくいたいものです。

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