学級経営のコツ ~伸びる褒め方5選~

学級経営

お世辞だとしても、褒められるとうれしくなります。大人でも褒められればうれしいのだから、生徒や子供が褒められてうれしくないわけはありません。「褒め」を上手に使えば、学級経営の片輪として活躍するくらいの技術だと思います。ではどうぞ。

伸びる褒め方5選 ~使うときはどれも思いをこめて伝えよう~

褒め方1 セリフをつけ足して個別で褒める

ちょっとしたこと…例えば、床に落ちていたゴミを拾ってくれた、落とし物を拾ってくれたなど、

良い場面を見たときに「ありがと~」だけで済ますのはもったいないです。

ちょっと言い方を変えれば、褒められたほうの受け取り方も大きく変わります。

「おっ、そうやってクラスをキレイにしてくれると、本当にありがたい!」

「君のその心づかいがうれしいよ、ありがとう!」

「うれしいね、みんなにもその姿を真似してほしいな!」

演技が入りすぎないよう、サラッと言えるとより効果的でしょう。

自分の場合「おっ、」とか「いやぁ~、」と前振りをしている間にセリフを考えます。

瞬時に難しい場合は、あらかじめ2,3つパターンをもっておくといいですね。

褒め方2 全体の前で褒める

少し人を選びますが、本人にも全体にも効果が広がる褒め方です。

基本的にはちょっと目立つこと…例えば、

給食をこぼしたあとにすぐ雑巾をもってきて拭いてくれたとか、

体調不良で帰る子の用具とカバンを何も言わなくても持ってきてくれたとか。

「さっき給食をこぼしたとき、すぐにA君が雑巾を持ってきてくれてね、ありがたかったなぁ」

「B君の体調が悪かったんだけど、C君がそれに気づいてくれてね、助かったんだ」  など。

1のように、小さなことを全体で褒めることは難しいかもしれませんが、状況によっては使えます。

(教室の汚れが目立つとき)
「床を見てごらん。何か気づくことはない?ちょっと汚れが目立つよね。
 でもさっきD君は、自分からゴミを拾ってくれてたんだ。
 気づいて、行動できる。ありがたいよね。

注意したいのは、学級や生徒の様子次第では

「なんだアイツ、いい子ぶりやがって」みたいな雰囲気が出る可能性があります。

そういう危険性がある場合は褒め方2は使わず、褒め方1を使うべきでしょう。

ちなみに、やんちゃ坊主なんかをたまに褒めたりすると、すさまじい効果が出ることもあります。

褒め方3 神妙に褒める

状況を選びますが、褒め方1と褒め方2の上位バージョンです。個別でも全体でも使えます。

感情をこめてゆっくりと伝えるだけで、重みが変わります。

「あのとき、クラスがうるさくなってただろ。でも、Eさんはビシッと注意してくれたよね。

 あれは、なかなかできることじゃないし、本当に助かった、ありがとう。」

個別なら周りに人がいない状況がいいでしょう(面談中など)。

全体なら、少し真面目モードに入っている雰囲気のときのほうがいいでしょう。

教師が真剣に話すからこそ、効果も高くなります。

褒め方4 ウインザー効果を使う

ウインザー効果とは、以下のようなものです。

ウィンザー効果(Windsor effect)とは、本人や提供者から発信される情報よりも、第三者が発信して間接的に伝わる情報の方が信頼性が高まるという心理的傾向のこと

この効果を狙って施策として「口コミ・マーケティング」が行われるが、利害関係が露呈すると逆効果になることがある。

シマウマ用語集 https://makitani.net/shimauma/windsor-effect

ようは、直接褒めるよりも「〇〇先生が褒めていたよ」と言ったほうが、効果が高いということです。

最近使ったのは、掃除の時間の様子です。

「外庭掃除、大変らしいね。でも〇〇先生が、F君はよく働いてくれてうれしいって褒めてたよ」

褒め方2と合わせて使いましたが、クラスからは拍手と歓声が聞こえました。

非常に効果が高い褒め方なので、他の先生からいい情報をいただいたら、

すかさず学級で紹介してみてはどうでしょうか。

褒め方5 ウインザー効果を仕込む

褒め方4の逆バージョンです。自分はこれをよく仕込んでいます。

他の先生から褒められてうれしいなら、自分から積極的に種をまこう!という方法です。

やり方は2種類です。

①他の学級の生徒のことを褒めるときは、その担任の先生に伝えておく

②自分の学級の生徒を褒めたい場合は、クラスメイトに褒める生徒のことを話しておく

①も②も、ウインザー効果のことは一言も伝えません(知っている場合はあるかもしれませんが)。

引用にあるように、へたにやり方がばれてしまうと、褒めが逆効果になってしまうからです。

①も②も、自然に伝わるのを待つだけです。

そうすれば、知らずのうちに芽が出て、花が咲くことでしょう。

まとめ

褒め上手になると、世界が変わってくるのがわかると思います。

ただ気を付けてほしいのは、生徒が「褒められること」を目的にしないようにすることです。

結果として褒められるだけで、それ自体(褒められること)が目的ではないからです。

ベストセラー「嫌わられる勇気」でも、アドラー心理学は「褒めてはいけない」と言っています

使う側がそのようなメリット・デメリットを知った上で、

「褒め」をうまく使ってほしいと思います。こうかはばつぐんだ!です。

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