先生の心がまえ ~他人を変えるのは本当に難しい~

変わらないわけではないけど、労力のわりに報われないっていう話

これは教師、生徒ともに共通です。人間は簡単には変わらない。

誰もが知っている話の割には、みなさんこれを知らないように行動している気がします。

これとよく一緒に使われるのは「自分を変えるのは一瞬」ですが、

これは真実でもあり、嘘でもあると思っています。これについては後述。

変わらない人① 同僚の方々や保護者の方々(大人)

大人は、基本的に「変わらない」と思っておいたほうが気が楽でしょう。
(極一部、頭の柔らかい方もいますが、少数派だと思います)

長く生きれば生きるほど、その思い込みの数はどんどん増え、また強くなっていきます。

最低でも22年生きてきた教師が、その期間に積み重ねてきた常識…

「これはこういうものだ」という考えは、そう簡単には変わりません。

あのアインシュタインも、こう言っています。

「常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。」

アルベルト・アインシュタイン

常識的と言われる教師も、ご多分に漏れません。

逆に常識的であるからこそ、変化に弱い上に応用が利かず、封建的な傾向があると感じます。

変わらない人々② 生徒

中学生も12~15年生きていると、大人と同様に簡単には変わりません。

家庭での関わり方、環境、個人の性格など多くの要因があり、

教師が「こうしなさい」と言ったところですぐに変わるものではありません。

というより、もし教師の言ったことで簡単に生徒が動くのなら、それはもうロボットでしょう。

「こちらが〇〇と伝えたのに変わらない」ではなく、それが当たり前なだけです。

変わらない人③ 自分

あなたは今までで、自分を上手に変えることができたでしょうか。

例えばダイエットに取り組もうとして、それを日々続けて目標を達成できたでしょうか。

別にダイエットに限らず、〇〇したい、〇〇になりたいなど大小さまざまな目標に、
自分の意思を押し通してゴールできましたか?

大半の人は、おそらく「NO」と答えるでしょう。

そう、人間は自分すら変えるのが難しいのだから、他人を変えるなんてさらに難しいのです。

心理的には「恒常性バイアス」や「現状維持バイアス」と言われるものが働き、

「今までのほうが楽」「変化してマイナスが起こるくらいなら今のままでいい」

と無意識に考えて行動します。

たしかに、変わろうと思えば一瞬で変わることはできます。他人よりは変えやすいです。

ただそれが続くか?というと、別問題。「続ける」ための別の方法が必要になります。

まとめ じゃあどうするか?

自分を変えるのすら難しいのだから、他人を変えるのは相当難しいとまず理解すべきでしょう。

その上でどうするか。

①同僚の方々や保護者の方々

まずは自分の意見を伝えるところからスタートです。

きっと何か言われるとは思いますが、それに反論しても効果は薄いでしょう。
(相手の意見を変えようとしない)

共感を示しつつも、自分の意見はしっかりぶれないように伝えます。

その上で、お互いが納得できるところに落とすよう話し合うしかありません。
(妥協や譲歩も、スキルとして使ってよいと思います)

平行線をたどるようであれば、主任や役職の先生の鶴の一声を使いましょう。

学校はなんだかんだ上意下達のピラミッド構造なので、

不毛な話し合いに時間をかけるよりも素早い解決方法を探ったほうが賢明だと思います。

②生徒

粘り強く伝え続ければ、変化は起こります。

教師の姿勢をきちんと背中で見せて、生徒が納得をすれば自然と変化を起こします。

その意味でも、理不尽な指示や行動は一発で生徒の不信を買い、変化しなくなります。

生徒に言うだけのことを教師が示しているか?それが試されている気がします。

ただ、基本として人を変えるのは難しい、ということを念頭に置いておくとよいでしょう。

③自分

もしかしたら、一番変えることが難しい存在かもしれません。

自分を変えるのは、「本当に自分が必要性を感じているか」が根っこになります。

目の前のケーキかダイエットか?を選ぶとき、本当に必要性があるなら

どれだけケーキが好きでも食べることはないでしょう。

頭だけで思っていることなのか、心の底から思っていることなのか。

それを自分に問いかけてみてください。

最後に

基本的に人は変化を嫌います。それは自分も他人も同様です。

大人も生徒も、ほとんど変わりません。

それを知った上で対応するだけで、ずいぶん気は楽になるものです。

あまり気負わずにいきましょう。

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